2022年の吉日

個人の中古車譲渡と消費税について

消費税は「事業者」が資産を譲渡した際に課税されます。オートオークションの会員は古物商の自動車業者ですので、すべて事業者です。

出品された中古車は、落札により「事業者の資産が譲渡」されたことになり、落札した事業者には消費税が課税されます。

実務的にはオートオークションを通じて落札した業者が出品した業者へ消費税を支払います。「オートオークション代行」では、ここで大きな問題が起きます。

落札した事業者からオートオークションを通じて代行業者が受け取った消費税をユーザーにそのまま払うべきかという点です。

ユーザー「個人」が資産(マイカー)を譲渡した場合、「事業者」による資産譲渡ではないため消費税は課税されません。課税されないということは、ユーザーは消費税をもらうことはできません。

ヤフオクで個人の中古車を代行して出品している業者は落札者から消費税をもらえないのと同じです。言うまでもなく、個人の資産譲渡に消費税は課税されないためです。

落札店がオートオークションを通して出品店へ消費税を支払っているのは、出品店が事業者であり、事業者の資産(中古車)を譲渡したという前提があります。オートオークションは事業者による会員制の市場であるために、その前提が成り立つのです。

オートオークション代行で出品された中古車を落札した事業者は、その車が個人の資産(中古車)譲渡を会員の事業者が代行しているだけという真実を知りません。

あくまで、事業者の資産譲渡と認識して消費税を支払っています。オートオークションの代行業者がその消費税を個人に支払うことは、法的にも落札店に対する信義上も大きな問題があります。

消費税の法令の基づく正しい処理は、事業者が出品した中古車(資産)を譲渡した(落札された)場合、落札店は消費税を仮払いし、 出品店は仮受けします。もちろんユーザーへ渡すことは法令違反です。

そして仮受消費税と仮払消費税をそれぞれ1年間の事業年度で合計して差引プラスなら納税、マイナスなら還付されます。会計期間の途中で、個人の資産譲渡を代行して本来課税されない消費税の支払いを受けて、個人に支払うことは認められません。

例外は、消費税の免税事業者が消費税の全部または一部を上乗せしてユーザーから買い取った場合ですが、オートオークション代行では難しいと思います。オートオークション代行でそれをやると、相場以上での「代行」をすることになるためです。

令和5年10月以降、インボイス制度がスタートするため、免税事業者は制度上、認められなくなり、オートオークションに参加できません。

CVAK

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